任意整理(にんいせいり)

任意整理とは、債務整理のうちのひとつの手法(手続)で、裁判手続を利用せずに、各債権者と個別に、借金・債務の減額や返済回数などについて交渉し、前よりも負担の軽い借金・債務にすることをいいます。

任意整理後、債務者本人は、(負担が軽減された)新たな条件で、借金・債務を返済していくことになります。

具体的には、借金・債務の総額がいくら、支払い回数は何回、1回目の支払いはいつ、毎月何日払いにするか、どの銀行口座に振り込むか、返済が滞った場合どうなるか、などの各債権者との合意事項を和解契約書などの書面にし、その書面にしたがって新たに返済していきます。

この書面は債権者の数だけ作成されることになります。勿論それぞれの債権者ごとに合意する内容は異なりますし、新たな返済条件も異なります(A社には毎月1万円の返済、B社には毎月2万円の返済、C社の残債務はきわめて少額なので一括返済etc.)。

任意整理は、裁判所を利用しない手続であるため、柔軟な対応が可能になります。たとえば、特定の債権者だけを選んで任意整理をすることもできます。

任意整理においては、自己破産と異なり、所有する財産を処分したりする必要はありませんし、任意整理をしたことによって職業や資格を失ったりすることはありません。官報にも載りません。

反面、任意整理は事実上の交渉手続に過ぎないため、債権者が借金減額や支払回数の延長などに応じなければ、これを強制することはできません。

そのため、非協力的な債権者が一人(一社)いるばかりに任意整理ができなくなることもあり得ます(D社だけが、同社に対する残債務の一括返済を主張して譲らないなど)。

任意整理により借金・債務の負担を軽くするためには、1回あたりの返済額が少なければ少ないほど、したがって返済期間(分割回数)が長ければ長いほどよいわけですが、債権者の同意が得られる限度というものがあります。

この点、ほとんどの債権者が同意する分割回数の目安は、「36回(3年)の分割払い」といわれており、実際に36回の分割払いの提案を拒否されることはまずありません。

最後に、任意整理後の返済は、原則として無利息での返済となります。以後支払うお金の分だけ確実に借金・債務が減っていくということです。

任意整理の一番大きなメリットとしては、引き直し計算によって借金・債務の残額自体が減ることですが、たとえ引き直し計算の結果それほど借金・債務が減らなかったとしても、今後無利息で返済できるだけでも、任意整理をする大きな意味があります。

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