個人再生のQ&A

個人再生とはどんな手続きですか?

個人再生とは、個人(個人事業主を含む)の債務者が利用できる裁判手続きで、個人再生の申立てをした債務者が自ら立てた返済計画を、裁判所に認めてもらうことにより、債務の負担を軽減させる債務整理の1手法(手続き)です。裁判所に認可された計画どおり分割払いを完了すれば債務は完済となります。

個人再生手続には、小規模個人再生という手続と給与所得者等再生という手続の2種類があります。

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個人再生はどんな場合に利用できるの?

個人再生手続は次の場合に利用できます。

さらに、個人再生のうち給与所得者等再生を利用するには、給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあってかつその額の変動の幅が小さいと見込まれること、という条件を満たす必要があります。

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個人再生ではどんな返済計画を立ててもよいの?

いいえ、まず、返済期間は原則3年です。

次に、返済総額は、法律で定められた「最低弁済額」以上でなければなりません。

この最低弁済額ですが、まず、仮に破産手続きを選んだ場合に債権者に配当されるであろう額(清算価値)以上でなければなりません。また、債務の総額に応じて次の額以上でなければなりません。

債務総額100万円未満
⇒100万円以上
〃100万円~500万円
⇒100万円以上
〃500万円~1500万円
⇒債務総額の2割以上
〃1500万円~3000万円
⇒300万円以上
〃3000万円~5000万円
⇒債務総額の1割以上

例えば、債務の総額が400万円であれば、100万円を3年で分割返済するというような返済計画を立てることになります。

さらに、給与所得者再生では、上の条件を満たしかつ可処分所得の2年分以上でなければなりません。

可処分所得とは、所得税、住民税及び社会保険料を控除した収入から居住地域や居住人数などに応じて決まっている最低生活費等を引いた額のことです。

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アルバイト(パート)でも個人再生を利用できるの?

はい。アルバイト、パート収入で生活している人も、将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあれば(たとえ収入額に変動があると見込まれる場合であっても)個人再生手続きのうち少なくとも小規模個人再生手続きを利用できます。

さらに、アルバイト、パートでも、将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがありかつその収入の変動の幅が小さいと見込まれる場合は、給与所得者等再生手続きの方も利用できます。

ここでいう「変動の幅が小さいと見込まれる」とは、一般に、将来の収入の変動が、年収換算で5分の1を超えない見込みであることとされています。

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年金生活者も個人再生を利用できるの?

はい。年金生活者の場合、小規模個人再生手続き、給与所得者等再生手続きの両方を利用できます。

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給与所得者等再生を利用できる人は小規模個人再生を利用できないの?

いいえ。給与所得者等再生手続きは、小規模個人再生手続きの特則として定められているものであり、債務者の選択によりいずれの手続きも利用できます。

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小規模個人再生と給与所得者等再生の違いは?

小規模個人再生と給与所得者等再生の違いの一つめは、裁判所に返済計画を認めてもらうためにどの程度の債権者の同意が必要かという点です。

この点、小規模個人再生手続きでは、返済計画に対する債権者の反対(不同意)が、数的に半数未満でありかつ額的に半数以下であることが必要です。他方、給与所得者等再生の場合、債権者の同意は不要です(極端な場合、全債権者が反対しても計画案が通るということです)。

次に、返済計画が裁判所に認められるために必要な返済総額の最低額が異なります(異なる場合があるという方が正確です)。給与所得者等再生手続きにおいては、返済計画案で定める返済総額は可処分所得の2年分以上である必要がありますが、小規模個人再生手続きにはこの制限はないからです。独身のサラリーマンなどは可処分所得の2年分が高額になることがあります。

第三に、以前に自己破産をして免責を得ていたり給与所得者等再生を利用してこれを完済したりしている場合、その後一定期間(破産の免責確定から7年、給与所得者等再生の場合返済計画の認可決定が確定してから7年)は、給与所得者等再生手続きを利用できません。小規模個人再生手続きにこのような制限はありません。

第四に、将来的に自己破産で免責を得られるかどうかに関して、給与所得者等再生手続きを利用してこれを完済した人が、その返済計画の認可決定が確定してから7年以内に自己破産で免責許可の申立てをすることは、免責不許可事由に該当します。小規模個人再生手続きにはこのような制限はありません。したがって、将来自己破産の申立てが考えられなくもない場合は注意が必要です。

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ギャンブルや浪費でつくった借金の場合でも個人再生を利用できるの?

はい。できます。個人再生では、自己破産と異なり、借金の原因は問題にされません。

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私は警備員の仕事をしているけど個人再生を利用しても仕事を続けられる?

はい。個人再生手続きでは、自己破産のように資格制限はありませんから、自己破産をすれば資格を失うような職業の人でもこれを気にせずに利用できます。

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個人再生をしたことは職場に知られてしまうの?

いいえ。これは自己破産でもそうなのですが、職場に知られることはありません。

但し、お勤めの会社から借金をしているような場合は、会社自身が債権者となって手続きに参加しますので、知られてしまいます。

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個人再生をすると戸籍や住民票に載るの?官報には?

個人再生をしても戸籍や住民票には載りません。

個人再生をすると官報には掲載されますが、普通の人で官報を見ている人はほとんどいません。くまなく見ている人となるとまずいません。

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個人再生をすると連帯保証人に請求が行くの?

個人再生をすると連帯保証人に請求が行くと思っておかなければなりません。

また、本人が個人再生を利用し、債務額が大幅にカットされたとしても、この効果は連帯保証人には及びません。したがって仮に連帯保証人が残債務全額の請求をされれば、全額弁済しなければならない場合もあり得ます。

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個人再生で返済計画どおり返済を続けることができなくなったらどうなるの?

まず、やむを得ない事由で返済計画を実行することが著しく困難となった場合は、申立てにより、返済期限を延長することができます。この場合においては、変更後の最終返済期限は、当初の返済計画で定められた最終期限から二年を超えない範囲で定めなければなりません。

次に、債務者の責めに帰することができない事由により返済計画を遂行することが極めて困難となった場合には、認可された返済債務総額の4分の3以上の返済が終わっていること、先に述べた返済計画の延長では対処できないこと、この段階で破産した場合に比べて債権者に不利益が生じないことなどの条件を満たせば、自己破産のように債務が免責されます。それ以上借金を返済しなくてよくなるということです。

これらが不可能な場合にも、再度個人再生を申し立てる、自己破産を申し立てて免責を得るなどの対処は可能です。

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個人再生の手続きの流れとスケジュールを教えて?

東京地裁の場合ですが、個人再生の手続きの流れと標準的スケジュールは次のようになります。

まず、必要書類を揃えて裁判所に申立てをします。すぐに個人再生委員が選任されますので、この人(弁護士です)と面談します。個人再生委員の意見を聞いて裁判所が手続き開始決定をします。ここまでがだいたい申立てから1か月です。

手続き開始決定から約1か月後までに各債権者が債権の額などを届出ます。債権の調査、債権額確定後、債務者が返済計画案(再生計画案といいます)を作って裁判所と再生委員に提出します。ここまでがだいたい申立てから4か月です。

債権者が返済計画案に反対の場合に裁判所に書面で不同意の回答書を提出したり(小規模個人再生の場合)、意見書を提出したり(給与所得者等再生の場合)します。個人再生委員の返済計画についての意見書等も提出されます。これらを踏まえ、反対債権者半数未満などの条件(小規模個人再生の場合)などを満たし、他に問題がなければ裁判所が返済計画を認可するという決定を出します。ここまでがだいたい申立てから6か月です。

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個人再生を申し立てると裁判所へ本人も出頭するの?

いいえ。東京地裁の場合ですが、本人が裁判所へ行く必要はありません。

ただし、個人再生委員に選任された弁護士の事務所へは行って面談する必要があります。この面談も通常1時間以内には終わります。

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個人再生をすると持ち家を手放さなければならないの?

いいえ。必ずしもそうはいえません。

まず、住宅ローンもなく抵当権も付いていない場合、持ち家を手放さなければならないわけではありません。但し、個人再生における最低返済総額は、破産をした場合に債権者に配当される額以上でなければならず、したがって持ち家の評価額以上の返済総額でなければ返済計画案が認められないことから、持ち家を手放さないようにするためには相当に負担の大きい返済計画を立てなければならないことになります。この意味で、持ち家を手放さなくて済む場合は特殊な場合に限られるでしょう。

次に、住宅ローンがあって抵当権が付いている場合、個人再生手続きを申し立てただけでは、抵当権が実行され、持ち家は処分されることになるでしょう。但し、個人再生には、住宅ローン特則(「住宅資金貸付債権に関する特則」)という手続きがあり、この住宅ローン特則を利用すれば、持ち家を維持しながら債務整理をすることが可能になります。但し、住宅ローン債務自体はいっさい減額されません。このため、住宅ローン以外の債務を返済計画どおりに返済しながら、なおかつ住宅ローンを全額支払続けることが必要になります。

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